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解析技術

1.食品(マグロ)の凍結シミュレーション

凍結マグロ

冷凍食品の品質を保持したまま、輸送・流通させるには凍結方法が重要となります [1]。
今回は熱流体解析ソフトウェアを用いた半身のマグロの凍結シミュレーションを紹介します。


シミュレーションにおいて、マグロの様な複雑な形状を忠実に3D図面に落としこもうとすると、莫大な計算時間がかかります。そこで今回は、以下の図のようにマグロを半円柱として考えた簡略モデルを用いてシミュレーションを行いました。物性値にはマグロの赤身の物性値を用いました[2,3]。

マグロ簡略モデル化


今回は2つのシミュレーション結果を紹介します。
一つは庫内温度の違う2つの冷凍庫で、空冷による熱伝達を用いた冷却方法であるエアブラスト方式によってマグロを凍結した際のシミュレーション結果です。
もう一つはエアブラスト方式のみの場合と、エアブラスト方式に加えて金属板との接触による熱伝導で底面からの冷却を行うコンタクト方式とを併用した場合の凍結を比較したシミュレーション結果です。


凍結比較



1.エアブラスト方式によるマグロの凍結シミュレーション

半身のマグロをエアブラスト方式によって凍結した際のシミュレーション結果です。上は庫内温度-35℃、下は庫内温度-70℃で凍結した際の結果となっています。品温の変化を見ると、庫内温度-70℃での凍結の方が温度の降下が速いことが確認できます。このように食品の凍結においては、温度差が冷却速度に顕著に効いています。また、凍結点である-1℃付近で食品内部の水が氷を作り始める段階である潜熱帯に入り、温度降下が鈍化している事も確認できます。



2.エアブラスト方式とエアブラスト方式+コンタクト方式との比較

2つの異なる凍結方法における結果の比較です。同じ庫内温度でも、左のエアブラスト方式だけで冷却した場合に比べて、右のコンタクト方式を組み合わせた場合の冷却速度の方が速いことが確認できます。

[1] 社団法人日本冷凍空調学会編集委員会 編, 『新版 食品冷凍技術』, 社団法人日本冷凍空調学会 (2009).
[2] 小野征一郎, 『マグロの生産から消費まで』, 成山堂書店, (1998).
[3] 渡辺学, 『最新の食品解凍技術』, 伝熱, 55, 232 (2016).

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