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2011年11月1日

ロボット研究開発用ハードウェアの研究成果を東京ビッグサイトにて展示

前川製作所では大学などの研究開発用に使用されるコンパクトなロボットアームと電動台車のユニット”リファレンスハードウェア(RH)”を2011国際ロボット展にて展示しますのでご案内します。

 

展示会概要:
・展示会名称  2011国際ロボット展
・会   期  2011年11月9日(水)から11月12日(土)
・会   場  東京ビッグサイト 東3ホール”SR3-28″
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)ブースにてリファレンスハードウェアの実物展示リ

 

ファレンスハードウェアの概要:
・ 主な使用目的 RTミドルウェアで作成した知能ソフトウェアモジュールの検証
・ 構  成   マニュピレータユニット(ロボットアームの部分) 1台、 小型電動台車 1台

 

【本リファレンスハードウェアの開発経緯】
前川製作所では2008年(平成20年度)よりNEDOの次世代ロボット知能化技術開発プロジェ クトに参画し、RHの開発を行って参りました。より人の生活に密着した小型で動作性の良いロボットの開発を日本の総合力で行うためには、オープンな開発環 境を構築することが重要ですが、それらを検証するための”研究開発用ロボット”が不可欠です。本プロジェクトの中で、当社がソフトウエア検証用の”リファ レンスハードウェア(RH)の開発”を担当してまいりました。

 

当社が研究開発に参画した3年間でRH1号機からRH3号機まで合計18台の試作機を製作して研究コンソーシアムに参画する9箇所の研究機関に供給し、それぞれが開発を担当するソフトウエアの検証に活用していただきました。

 

【今後の予定など】
RHの開発期間を終えた2011年4月からは、前川製作所の担当する部分の研究成果としてこのRHを多くのロボット研究を行う機関に販売するための準備を進めております。
前川製作所ではこの研究成果を多くの研究機関で使っていただくことで多様な分野のロボット研究のスピードアップに活用していただきたいと考えております。

2011年09月30日

平成23年度産、エンドファイト米の収穫始まる! 北海道/美唄・上川地区

前川製作所の植物工学研究所(静岡/富士宮市)では、イネの減農薬栽培向けへの利用が期待される「植物共生細菌(エンドファイト)」を用いた施用実 証を平成17年から実施して参りました。平成23年度はこれまでの「実証試験」から北海道/美唄・上川地区を中心とした限定販売に切り替え、多数の農家さ んのご協力のもとエンドファイトを使ったイネ栽培に挑戦して頂きました。収穫の時期を迎え、速報値では多くの圃場で「収量の増加傾向」と「いもち病などの 減少」が確認されて参りましたので概要を報告します。

 

●エンドファイト施用実証概要: 平成23年度は北海道を中心とした19都道府県の農業団体・個人農家でエンドファイトの施用実証を実施した。圃場面積は全体で500ヘクタール。
本年は、札幌市の北東に位置する美唄市/美唄ハイテクセンターに植物工学研究所の分室を設置し、5月より研究員が常駐しイネの生育状況の調査を行った。道外地域へは、研究員が随時、観察にいく形態で実施。以下、JAびばい殿と共同で調査を実施した経過を中心に報告する。

 

●作付スケジュール: ※ JAびばい地区での平均的なスケジュール
5月中旬 田起し作業開始
5月中旬から下旬 苗床へのエンドファイト液処理(イネ苗へエンドファイト500倍希釈液を散布)。

JAびばいにおける作付品種は、おぼろづき、きらら、ななつぼし、ゆめぴりか等。
5月下旬 田植え
7月下旬から8月上旬 出穂
8月上旬 開花
9月中旬から下旬 稲刈り

 

●生育状況結果(速報): 9月末の時点でほぼ全ての圃場において収穫を終えた。エンドファイトの施用により分けつと穂数が増加傾向にある。収穫量や収穫物の品質については評価中である。

北海道外での経過に関して: 青森、秋田、新潟、千葉、岐阜、滋賀、三重、大分、熊本などでは、「試験栽培」の位置づけでJAや農事法人の方に栽培実証を実施していただいており、現在、結果のとりまとめを実施中。
前川製作所では、エイドファイトを用いた植物プロバイオティクスの技術で日本の主食である米の減農薬栽培化・食の安全性の向上に寄与していくよう今後とも研究を続けて参ります。

 

【今後の予定】
平成23年10月14日(金) エンドファイトフェスティバルにて講演、千葉県山武市にて 講演タイトル: エンドファイトの実用化技術の開発と今後の展開

 

【エンドファイトとは】
植物組織内に内生している生物の総称。エンドファイトを施用することにより植物の免疫を活性化する。
人間に例えると、”乳酸菌などによる免疫力の増加”に似ているので、エンドファイトに施用による免疫力増加の効果を”植物プロバイオティクス”と呼んでいる。

2011年07月29日

農業支援ロボット研究開発、学会表彰受賞 -いちご収穫ロボット用RTコンポーネントの開発-

我 が国の農業は、農業従事者の高齢化、後継者不足など、取り巻く環境が年々厳しくなっています。そのような状況を解決するため、前川製作所では2000年よ り食肉加工用ロボットの開発で培った技術を活かして様々な農業支援ロボットの開発を行っております。この度、その一つである「いちご収穫ロボット」の開発 成果発表が公益社団法人計測自動制御学会において「優秀講演賞」を受賞したのでご報告します。

 

研究テーマ:いちご収穫ロボット「M型3号機」用RTコンポーネントの開発

 

研究グループ:株式会社前川製作所 山下智輝、田中基雅
生物系特定産業技術研究支援センター(生研センター) 山本聡史、林茂彦、齋藤貞文
早稲田大学 堀内大介、菅野重樹

 

講 演概要: 筆者らは高設栽培施設で稼動する「いちご収穫ロボット」の開発を行っており、2009年度から改良を重ねM型3号機の開発を行ってきた。その際、開発施 設、収穫ロボット実証農場など場所によってハードウェア構成が変わることから、ソフトウェア側でもこれに随時対応する必要があり開発が煩雑であった。そこ でソフトウェア自体の改善・改良を容易にするため、ソフトウェアプラットフォームであるRT(Robot Technology)ミドルウェアを用いて収穫ロボットの制御ソフトウェアの開発を行った。

こ れにより、ロボットの機能要素をモジュール化しコンポーネントとして開発をすることが可能となった。本研究ではRTミドルウェアの実装の一つである OpenRTM-aist(※1)を用いて開発したコンポーネントの概要、および現場実証試験等を通して得られた問題点等について論じた。

 

表彰制度概要: 本表彰は公益社団法人計測自動制御学会のシステムインテグレーション部会講演会(2010年12月23日-25日開催、於・東北大学川内キャンパス)にて口頭発表のあった研究成果のうちの優秀な講演に対して授与される。

 

前川製作所では「いちご収穫ロボットM型3号機」の現場実証試験等で得られた問題点の解決を図るとともに、今後もいちごに限らずに様々な用途の農業支援ロボットの実用化を目指して開発を継続して参ります。

 

【謝辞】
本研究は、生研センター農業機械等緊急開発事業(緊プロ)の一環で平成18年度から22年度にかけて共同開発を行いました。記して謝意を表します。

 

【備考】
※ 1 RTミドルウェア”OpenRTM-aist  http://www.openrtm.org/

 

STRobo01

写真:いちご収穫ロボットM型3号機

2011年06月29日

夏の緊急対策! 業務用角氷を使って冷やす-大ホールでの事例-

東日本大震災の影響で電力供給事情が逼迫していることから、2011年の夏は節電のために冷房を控えめにするなどの対策を講じることが強く求められています。しかし、仮に昼間の何時間かでも冷房を「完全停止」するとなったらいったいどうなるでしょうか?
前川製作所では、昨年8月、北海道で開催されたシンポジウム(当社が運営を担当)におきまして”業務用角氷を使って大ホールを冷やす”という事例がありましたので、この夏の緊急節電対策の一助になればと思いご紹介しておきます。

 

梅雨がなく夏も比較的過ごしやすい気候の北海道では、市民ホールのような公共施設でも冷房設備がないところが珍しくありません。2010年8月の上 旬、そのような冷房設備がない会場をお借りして農林水産省及び当社が参画する協議会の共同開催シンポジウムを実施しました。会場選定の段階から「冷房設備 が無い可能性もある」という情報を得ていたため、冷凍機メーカーの威信にかけて、シンポジウム会場の冷房対策を引き受ける事となりました。そこで、グルー プ会社で製氷業を行っている関係から「業務用角氷が使える!」というアイディアが浮かび、早速、地元の製氷業者を紹介してもらい氷を手配しました。業務用 角氷はお祭りのカキ氷の屋台などで見かける大きな塊りの透明な氷ですが、それの大きいものをいくつか会場内の通路に配置し、またお客様にはシンポジウム用 に準備した団扇を配布して少しでも暑さをしのぐという緊急対策を実施しました。

 


写真1:大ホールの中段通路に置かれた角氷

 

● 緊急対策概要
日時: 2010年8月6日(金)  ※この日の最高気温 32.3℃(札幌気象台)
イベント名称: 「北海道のお米を知ろう! -新農業展開ゲノムプロジェクト
・ 美唄シンポジウム2010-」 参加者 約200名
イベント概要: 稲の低農薬栽培資材として注目される「植物共生細菌(エンドファイト)」を活用した新農業の可  能性を紹介する

 

イベント会場: 美唄市市民会館 大ホール(ステージと客席で約500m2)
緊急対策内容: 冷房設備がないホールであったため、業務用角氷10数個をステージ上、ステージ前通路、客 席中段通路に配備し、冷房の代用とする。角氷は135kgの標準サイズを半割りにした70kg強の重量で、サイズはおよそ30cm×30cm×80cm。扇風機などは併用していない。ステージ上は花氷(角氷の花を閉じこんで凍らせたもの)を使用。2時間のイベント終了時点で氷は3分の2ほど残っていた。容器は市販の透明プラケース(当日、ホームセンターで購入)を使用。

 

その効果に関して定量的な数値データを残していませんが、客席にいた参加者からは「意外に涼しくなった」、「氷の見た目で涼しさを感じた」といった高評価を頂きました。

 

一般的に、室内の空気を対流させずに「周囲温度よりも温度の低い物質を設置する」だけという冷房方法を「輻射熱冷房」といいます。この輻射熱冷房の 特徴は、部屋全体の空気を冷やすことは出来ないという弱点がありますが、近くにあるものを空気を介せずに「直接冷やす」ことが出来るという利点がありま す。山盛りのカキ氷に手をかざしたときに、10cmくらい離れていてもひんやりと冷たく感じるかと思いますが、あの感覚が輻射冷房の「直接冷やす」という 特徴です。またカキ氷の容器にはみるみるうちに水滴がつきますが、夏の周囲温度と氷との温度差が大きいので、周辺空気の湿度を下げる効果が高いというのも 「氷を使用する」場合の特徴です。

 

業務用角氷は、大型の製氷工場でブライン(不凍液)をマイナス10℃くらいに冷却し、48時間ほどかけて作られています。マイナス10℃に冷却する のは、通常の冷房のように室温を28℃まで冷却するのに比べ、圧倒的に多くのエネルギーを必要とします。従いまして、エネルギー消費量の観点で比較します と、「角氷での輻射冷房」は空調(冷房)用に使用しても「省エネルギー」にはなりません。しかしながら、この夏のように節電(電力ピークカット)のために 日中の限られた時間帯にどうしても冷房を停止しなければならない場合には、「緊急節電対策」として使用することが可能です。「氷」は最も身近な「冷たい熱 を蓄えて運べる媒体」といえるでしょう。

 

DSC_0506LITE-シンポジウム写真
写真2:ステージ上の氷(ステージ左側が花氷)

2011年05月17日

魚肉凍結に関する研究成果、平成22年度日本冷凍空調学会「優秀講演賞」受賞

前川製作所では凍結処理が畜肉・魚肉・生鮮野菜に及ぼす影響の研究を長年に渡って行って参りました。その成果をまとめた研究論文・発表が、日本冷凍 空調学会の「平成22年度 優秀講演賞」を受賞し、2011年5月16日の日本冷凍空調学会総会において表彰されましたので、ここに紹介します。

 

論文タイトル: 凍結処理が魚肉筋肉内結合組織へ及ぼす影響

著者: 河野晋治(前川製作所 基盤技術開発グループ 食品バイオ技術開発チーム)

 

論文概要: 一般に魚肉を凍結する際に、急速凍結のほうが緩慢凍結に比べ解凍後のドリップ(浸出液)が少ないなど、解凍後の品質が優れているとされ ているが、解凍後の組織観察において、細胞の復元状態にほとんど差異がみられない。そこで、凍結処理が魚肉組織に対してどのような影響を与えているかにつ いて種々の手法を用い調査した結果、特に緩慢凍結処理において、細胞と細胞を繋いでいる結合組織が激しく損傷していることが判明した。また、結合組織の立 体構造を観察した結果においても、緩慢凍結処理を行なった区分では結合組織構造が破壊されていることが明らかとなった。
本研究の結果より、凍結処理による魚肉品質劣化の物理的要因が、従来から言われている氷結晶による細胞の圧迫だけでなく、結合組織の損傷も大きく関与していることが明らかとなった。

 

表彰制度概要: 日本冷凍空調学会「平成22年度 優秀講演賞」は、2010年9月14日から18日に金沢大学で開催された年次大会で発表された講演論文182件のうち年齢35歳未満の90名の論文が審査対象で、最終的に11件が受賞したもの

 

本研究は、水産物をはじめとする生鮮凍結食品の重要な品質である食感に大きく関与する結合組織に着目し、急速凍結の新たな優位性の一面を明らかにした。この成果をもとに、生鮮食品のさらなる高品質保持を可能とする凍結方法の開発へと展開を行っていく。