前川製作所 技術研究所 R&D CENTER

研究開発紹介 Research and Development Introduction

TOP>研究開発紹介>空気を利用した冷凍システム『パスカルエア』(4)

空気冷媒で-60℃以下を実現する超低温冷凍システム(4)

5.応用範囲の拡大

『パスカルエア』の技術開発の実績が基になり、超低温冷蔵庫・フリーザー、ケミカルプロセス冷却(各種ガスの冷却・液化)、フリーズドライ食品製造などの分野で多数販売され、継続利用されています。さらに、薬品プロセス冷却での導入事例をはじめとして、高温超電導冷却や半導体冷却、医療用材料の保存、家電リサイクル時の凍結破砕など、新しい市場を開拓することが可能となり、「空気」を使って-100℃の超低温を発生させる冷凍システム『パスカルエアFC』も開発されました。

前川製作所では、これまで通りの食品業界においても新たな付加価値を高められるような市場を開拓するため、新たな取り組みの一つとして『パスカルエア』を搭載したトレーラーで各地を巡回するキャラバンを実施しました。トレーラーには『パスカルエア』本体とともにテスト用の冷蔵庫が並べて設置されており、巡回先のお客様が自ら実際の製品を持ち込み、気軽に冷凍テストをしていただくことが出来ます。このように、トレーラーに載せたままの状態でその優れた性能をお客様に実感していただけるのは、『パスカルエア』が省エネ・コンパクトで安全性が高く、高圧ガス保安法適用外かつメンテナンスフリーだからこその強みです。

この巡回キャラバンでは、2013年9月~11月にかけて東北地域(仙台、気仙沼、塩釜、石巻、八戸など)の水産食品会社を巡回し、サンマ、ウニ、サバ、カツオ、イワシ、サーモンなどの冷凍テストを実施しました。

トレーラーで巡回するパスカルエア

図8(左) トレーラーに載せ各地を巡回中の『パスカルエア』
図9(右) サーモンの冷凍テストの様子


6.おわりに

『パスカルエア』は現在受注生産を行っており、さらなる技術開発の進展やライン化により、省エネ、省スペース、コストダウンの対策に取り組んでいます。『パスカルエア』のメリットとして、超低温での冷凍・冷蔵を必要とする設備においては従来のシステムよりもあらゆる面で優位であること、風速が小さいため、身割れしやすい食品や軽くて吹き飛んでしまう製品の冷凍に適していることなどがあります。

私たちの身近なところで『パスカルエア』はすでに活躍しています。日本では高品質の魚介類がいつでもスーパーマーケットで手に入れることができます。またスマートフォンなどに用いられる半導体の製造工場や医療・医薬品・理化学分野などの市場においても極低温領域の技術が必要とされるため、今後も『パスカルエア』の需要は拡大していくことでしょう。

前川製作所は、このような社会的背景を把握した上で『パスカルエア』の宣伝活動を国内外問わず幅広い分野へ展開し、更なる市場拡大と新たな付加価値を付与することにより、社会へ貢献していきたいと考えています。

【謝辞】
ここで紹介した内容は、(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)「エネルギー使用合理化技術戦略的開発事業」及び「エネルギー使用合理化事業者支援事業」の一環として実施されたものであり,フィールド試験に協力して頂き1号機を納入して下さった深澤冷蔵様ほか、ご指導・ご支援いただいた関係者の皆様に感謝の意を表します。



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