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冷媒とナチュラルファイブ(2)

4.ナチュラルファイブ+α

次にマエカワが推奨しているナチュラルファイブ+αについて、説明したいと思います。ナチュラルファイブと呼んでいます冷媒は、表2で示した物質のうち、すべての物質が水素、炭素、酸素、窒素のみで構成されています。これらの物質は、毒性や可燃性や使用用途が限られる等の課題はありますが、塩素を含まないため、オゾン層を破壊しませんし、炭素とフッ素の結合も無いので、地球温暖化への影響もフロン系冷媒に比べてきわめて小さいと言われています。ちなみに、アンモニアは、水素と窒素、二酸化炭素は、炭素、酸素、水は水素と酸素、空気は、酸素と窒素、炭化水素は、炭素と水素からそれぞれ構成されています。希ガスであるネオン、ヘリウムについても自然界にある物質で、化学的に合成したものではありませんので自然冷媒と言っても構わないかと思います。以下にそれぞれの冷媒の特徴を示します。

4.1 アンモニア

化学式:NH3

  • 冷凍・冷蔵から暖房・加熱まで広範囲の温度帯に対応でき、しかも「単位動力あたりに得られる熱量(COP)」が高いという特徴があります。
  • 毒性・可燃性があることから取り扱いが難しい冷媒で、安全性においても高い技術革新が常に求められています。
4.2 二酸化炭素

化学式:CO2

  • CO2冷媒はGWP=1(地球温暖化による影響の基準値)です。代替フロンであるHFC系冷媒に比べ、環境負荷の小さい冷媒です。
  • 毒性や可燃性がないため安全性が高く、冷却能力が非常に高い特徴を持っています。
  • 低温ブラインや加熱・給湯ヒートポンプの用途に利用されています。
4.3 水

化学式:H2O

  • わたくし達が普段飲んでいる水です。安全で可燃性もありません。
  • 水自身が、0℃で凍るので、凍結用途には向きません。
  • 圧力を真空にすると、低温で蒸発する事を利用して冷却を行います。
    ※標高の高い山で、気圧が下がり、水が100℃より低い温度で蒸発し、ご飯に芯が残ることがありますが、もっと気圧が下がると例えば、5℃で蒸発し、冷却に利用する事ができます。
4.4 空気

化学式:O2+N2

  • 私たちが普段、呼吸に利用している空気です。安全で可燃性もありません。
  • 理論的に潜熱利用できないので、基本的な性能はあまり高くありませんが、利用温度が低下したときの性能低下が小さいので、-50℃以下の温度になると、他の冷媒と比べて性能が良くなります。
4.5 炭化水素

化学式:CmHn ※(n≦m≦2n+2)

  • 燃料であるプロパン(C3H8) やカセットボンベや100円ライターの中身であるブタン(C4H10)がその仲間になります。毒性はありませんが、可燃性があり、取り扱いには注意が必要です。
  • 近年、フロン冷媒を使用したエアコンにこれらの冷媒を入れ替え使用した結果、事故が発生したりしておりますので、絶対にやめるようにお願いいたします。
  • 炭素数によって、炭素数1のメタンから5のペンタンと言ったように、様々な種類の物質があり、ユーザーが必要とする温度条件によって、物質を選択することが適用可能です。
  • 150℃の熱を供給するために、ペンタンを媒体としたシステムを開発いたしました。
4.6 ネオン

化学式:Ne

  • ネオンサインやプラズマディスプレイ等に利用させる物質で、窒素よりも沸点が低い物質です。
  • 空気と同じく、理論性能は高くありませんが、高温超電導材を冷却する冷凍機の冷媒としても利用されています。
4.7 ヘリウム

化学式:He

  • 数ある元素の中で、最も沸点の低い物質です。熱気球に利用させる軽いガスで、吸い込むと声が変わるガスとしても有名であり、病院にあるMRIにも使用されています。
  • 液化天然ガスの副産物として生産され、近年では天然ガスからシェールガスへの置き換わりにより価格が高騰しています。
  • リニア中央新幹線等に利用される予定の低温超電導には、材料を超電導化するために絶対温度(-273℃)付近の温度が必要でした。過去にNEDO「超電導発電機・材料技術開発(Super-GM)」のプロジェクトにおいて、超電導を冷却するためのヘリウム冷凍システムの開発を行いました。

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